グラース慕情
花と香りのエッセイ:50年の集大成
2.香り創りのノウハウ
3.香水 それはパフューマーのイメージ表現
4.パフューマーは香りの魔術師
5.香水への旅立ち
6.生活の中の香り
7.香りで文化を育てたい
8.世界を巡る花の旅
「いい香り」のお手本は、おそらく野山に咲く姿・形も美しく、芳香をもった花々であろう。その香りを年中自分のそばにおいておきたい欲求が精油工業を発達させ、またいい香りを産むきっかけになったと思われます。その技術が南フランス・グラースの近郊であったのは、まがいものでない美しい花の香りを母親の胎内にいるときから知覚し、木村尚三郎先生のいうように「西洋人のいい香りに対する感覚」の伝統的な生活習慣があったからでしょう。 香水はフランスで花開き、発達し、世界に広まりました。 著者は、香りの故郷といわれるグラースを舞台に”美しい国フランス(La Douce France)”の香水の世界を、花の香りを中心に「グラース慕情」として、8章のエッセイにまとめました。本著から「香りに生きる喜び」を汲み取っていただければ幸いです