「においオブジェクト」を学ぶ
神経生物学から行動科学が示すにおいの知覚
ヒトはいったい何をにおっているのか?心理学者と神経生物学者がタッグを組み膨大な実験成果によって解き明かしていく。
著者 | ドナルド・A・ウィルソン 著 リチャード・J・スティーブンソン 著 鈴木 まや 他訳 |
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ジャンル | 書籍 > 香り カテゴリ > 嗅覚系 |
出版年月日 | 2012/12/25 |
ISBN | 9784894792289 |
判型・ページ数 | A5・386ページ |
定価 | 3,850円(本体3,500円+税) |
第2章 嗅覚理論の歴史と比較
第3章 受容機構
第4章 刺激の強度と知覚的な質の関係
第5章 ヒト以外の動物におけるにおいの弁別
第6章 ヒトにおけるにおいの質の弁別
第7章 においの記憶
第8章 インプリケーション:本書の意義
なぜコーヒーはあのような香りがするのだろうか?私たちが感じている「におい」は、ただ単に嗅いでいる物質の特性によって決まるものではない。視覚や味覚といった嗅覚以外の感覚、そして、記憶や文化などもまとめて、私たちはその「におい」を感じているのである。 本書は、心理学者と神経生物学者がタッグを組み、「におい」が経験によって変化する仕組みを、行動レベルから神経レベル、そしてヒトから大腸菌にわたって行われた膨大な実験成果によって解き明かしていく。「におい」の知覚は従来考えられていたような受動的なプロセスではなく、積極的に学習された結果であることが本書により納得できるであろう。また、多岐にわたるにおい研究が紹介されていることにより、「におい」に興味を持つ多様な分野の初学者が、この分野の全体像をつかむための一助ともなるだろう。