生きものたちをつなぐ「かおり」

エコロジカルボラタイルズ

生きものたちをつなぐ「かおり」

日経サイエンス2016/7月号、『週刊読書人』5月27日号で紹介されました!!

著者 松井 健二 編著
高林 純示 編著
東原 和成 編著
ジャンル 書籍 > 香り
電子書籍
カテゴリ > 植物の香り
出版年月日 2016/04/15
ISBN 9784894792685
判型・ページ数 A5・211ページ
定価 2,750円(本体2,500円+税)

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目次

第1章 植物が放出するかおりとそれを利用する生物たち        
1. 植物はかおりを作り、放出し、吸収し、代謝する〜生態系での植物のかおりの意味〜
2. 植物のかおりが媒介する生物間相互作用・情報ネットワークシステムを紐解く  
3. 植物は揮発性シグナル分子をどのように受け取るのか?

第2章 動物が放出するかおりとそれを利用する生物たち
1. 昆虫間で機能する多様なエコロジカルボラタイルズ       
2. 捕食者の“匂い物質”が湖沼のプランクトン群集を変える     
3. 個体間相互作用による線虫の匂いや味の嗜好性の変化       
4. 哺乳類の行動を制御するエコロジカルボラタイルズと化学感覚受容体 

第3章 エコロジカルボラタイルズと大気化学
1. 植物起源揮発性有機化合物の大気化学  
2. 大気科学的視点から考える植物の微量ガス交換
  
第4章 エコロジカルボラタイルズを応用に生かす
1. かおり成分計測による植物診断  
2. かおりの生態学から害虫管理へ 

内容説明

生きものたちのネットワークを「かおり」で読み解こう

 花はかおりで虫たちをおびき寄せ、受粉を手伝ってもらいます。鼻を持たない植物や線虫もまわりのかおりを感じることでなるべくうまく生き残ることができるように振る舞います。こうして「かおり」を軸にして生きものたちをつなげていくと地球上のほとんど全ての生きものたちをつなげるネットワークができます。私たちは生きものたちのネットワークをつなぐかおりをエコロジカルボラタイルズ(生態系揮発性化合物群)と名付けました。この本では植物から動物まで生きものたちがどのようにかおりでつながっているのかを紹介しています。また、かおりが大気の中でどのように変化し、それが生きものたちのつながりにどういった影響を与えているのか、そして、このようなかおりを農業に役立てる試みについても紹介しています。かおりから生きものたちのつながりを見てみましょう。関連トピックスも充実。22名の研究者が誘います。

◌松井 健二氏から 読者へのメッセージ◌
意識を少し鼻に集中するといろんなかおりが漂っていることがわかります。山や海に行くとなおさらです。地球はどうしてこんなにいろんなかおりがあるのでしょう?生態系での生きものたちの営みにかおりはなくてはならないからだと思えます。この本を読んだら街や自然に赴いて色々なかおりを感じてみてください。いつもと少し違って見えてくるかも知れません。

◌髙林 純示氏から 読者へのメッセージ◌ 
植物でも動物でも昆虫でも、何でも良いので気に入った生き物を、じーーーーーくりと見てみましょう。そうすると「これってオモシロイかも?」というような発見が必ずあります。自然はまだまだ謎に満ち溢れていて、私たちに発見されるのを待っています。

◌東原 和成氏から 読者へのメッセージ◌ 
生態系において生物の行動や情動を支配するのは匂いやフェロモンなど化学シグナルです。身体の中の医薬生命科学だけでなく、環境を見据えた化学感覚シグナルの農学生命科学は、今後大事な学問分野になると思います。


ほか19名の著者
(執筆順)

杉本 貢一(ミシガン州立大学)  
由里本 博也・阪井 康能(京都大学大学院農学研究科) 
米谷 衣代(龍谷大学理学部)  
上船 雅義(名城大学農学部)  
塩尻 かおり(龍谷大学農学部)  
松田 一彦(近畿大学大学院農学研究科)  
城市 篤(資生堂グローバルイノベーションセンター)
梶原 忠彦(山口大学名誉教授)  
安藤 哲(東京農工大学名誉教授・国際協力事業団)
福本 毅彦(信越化学工業株式会社合成技術研究所)  
花里 孝幸(信州大学山岳科学研究所) 
山田 康嗣・酒井 奈緒子・飯野 雄一(東京大学大学院理学系研究科)
吉川 敬一(花王株式会社感性科学研究所) 
今村 隆史(国立環境研究所環境計測研究センター) 
谷 晃(静岡県立大学食品栄養科学部) 
高山 弘太郎(愛媛大学農学部)

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