第5回 「抗シワ・抗老化の評価・実験法の意義とその手法」

抗シワ・抗老化の評価・実験法の意義とその手法 (2011.10.14)

正木 仁 氏(東京工科大学応用生物学部教授)

 本年は「乾燥による小ジワを目立たなくさせる」という化粧品の新規効能効果が承認された画期的な一年であり、その結果を受けて抗シワ・抗老化製品の市場性がさらに拡大することが期待されます。化粧品業界において、このチャンスを生かすべく抗シワ化粧品の開発が活発になることが予測されます。と同時に、抗シワ・抗老化製品開発の今後の方向性と、その方向性を実現するためのより具体的な評価技術・実験法に対する関心も高まってくるものと考えます。
 さて、化粧品業界は、多くの肌トラブルは皮膚の乾燥によって誘導されることを訴求し、化粧品の最も骨格となる機能として保湿機能を高める必要性を化粧品購買層にアピールしてきました。この度、その具体的な表現として乾燥と小ジワについての新規化粧品効能効果が承認されたものと言えます。乾燥と小ジワの関係については実感として認識はしていますが、乾燥とシワ形成の関係を明確に説明する科学的エビデンスはありません。
 そこで、本セミナーでは、これまで確立されたシワ形成・皮膚老化メカニズムの解説に加えて、私たちが考える乾燥が引き起こすシワ形成のメカニズムについても紹介致します。
 更に、抗シワ・抗老化製品あるいは抗シワ・抗老化素材を開発する上で必要な評価、実験法について以下のような項目にわたって詳しく解説致します。

〈講演の主なコンテンツ〉

1.シワ形成・皮膚老化メカニズム(乾燥が引き起こすシワ形成メカニズムも含む)
2.細胞基盤機能評価法
*細胞賦活作用評価法
3.抗酸化評価法

(1)培養細胞抗酸化作用評価法
*紫外線(UVB)曝露細胞傷害を指標とした試験法 / *過酸化水素細胞傷害を指標とした試験法
*脂質ラジカル細胞傷害を指標とした試験法 / *一重項酸素細胞傷害を指標とした試験法
*細胞内活性酸素レベルの計測法 / *細胞内酸化タンパクレベルの計測法
(2)無細胞系抗酸化作用評価法
*スーパーオキシドアニオン消去剤評価法 / *ヒドロキシラジカル消去剤評価法
*脂質ラジカル消去剤評価法 / *一重項酸素補足剤評価法 

4.細胞外マトリックス産生能評価法
*コラーゲン合成促進評価法 / *ヒアルロン酸合成促進評価法
*MMP-1活性抑制評価法(UVB、UVA、脂質過酸化物による誘導) 
*好中球由来エラスターゼ活性抑制評価法
5.新たな試み
*老化線維芽細胞モデルの調製法とその評価 / *乾燥モデル皮膚の作成法とその評価

 

実践セミナー講師1

正木 仁(まさき ひとし)
1980年 神戸大学理学研究科化学専攻修了、1995年 京都薬科大学にて博士(薬学)号取得、2002年1月日光ケミカルズグループコスモステクニカルセンター入社、同社代表取締役社長を経て、現在 東京工科大学応用生物学部教授。