第9回 「抗菌アロマテラピーへの招待」

第9回 「抗菌アロマテラピーへの招待」(2011.12.2)
安部 茂 先生
石島早苗 先生

    • 〈安部先生〉
        精油、ハーブは私たちの生活を自然に近づけ豊かにしてくれるだけでなく、健康を増進し、生活環境をより快適にしてくれます。植物療法には多くの効用がありますが、「抗菌アロマテラピー」は最も効果が確実で、しかも自分の目で見ることができる領域です。植物のエッセンスを利用して、ただやみくもに菌を根絶するのではなく、共存していける知識を近著『抗菌アロマテラピーへの招待』の内容を紹介しながら解説します。
    • 〈石島先生〉
        アロマやハーブの持つ抗菌活性に興味のある方のために、家庭で普通に調達できる材料を使って培養用の培地を作り、また、菌として食用のパン酵母を用いて、アロマトグラム(寒天気体拡散法)を行い、精油の抗菌効果について判定してみます。アロマトグラムには、aromatopia 106号に記載しましたように3種類の方法があり、それぞれの特性についても解説します。また、抗菌効果の高かった精油を使ってお風呂場の抗菌スプレーを作ります。

講演レポート
講義風景

 講師は、抗菌アロマテラピーのスペシャリスト、帝京大学医真菌研究センター所長の安部茂先生と同研究センター講師の石島早苗先生です。抗菌と同時に症状の改善を図って自然治癒力で治すことを目指す抗菌アロマテラピーの世界を、分かりやすく講演していただきました。 
 まず、前半は安部茂先生にご講演いただきました。精油の3つの作用「抗炎症作用」「免疫調整作用」「抗菌作用」を利用して感染症にどのように抗えるか、さまざまな真菌による臨床例を用いて、抗菌アロマテラピーの有効性を実証されました。また、アロマテラピーが対象とする疾患の多くは感染や炎症が関係しており、「抗菌」という精油の一面を奥深く探ってみることで、さらなるアロマテラピーの理解につなげられると安部先生は語ります。後半は石島早苗先生に、パン酵母(真菌)を用いて精油の抗菌活性を調べる実験方法についてご講演いただきました。近所のスーパーや100円ショップで購入した身近な素材を使ってできる実験方法は、精油に携わる方ならぜひ気楽に試していただきたい内容でした。 
 会場の皆さんからは「かなり専門的だったが、充実した内容だった」と大変好評でした。