第170回「頭皮・毛髪の研究と原料開発」(2016.10.21)

  今回のFJセミナーは、“頭皮・毛髪の研究と原料開発”をテーマに開催します。
 育毛に関しては再三取り上げてきていますが、近年は高齢化社会に向け、老化による脱毛の予防・改善を目的にした商品のニーズが高まり、さらなるマーケット拡大も期待される分野です。
 今回は、毛髪に関連する技術動向、研究を紹介するとともに、新規の育毛剤の開発について専門の講師の方々にお話しいただきます。
 皆様のご参加を心よりお待ちしております。  

 

 1)頭皮と美髪形成についての最新技術動向
【10:00〜10:50】 東京工科大学 応用生物学部 岩渕徳郎  


 頭皮の健康状態と毛髪の健康状態はとても関係が深いと多くの人が考えている。近年、こうした状況を反映してか、頭皮環境改善による美髪形成を訴求したヘア商品が多く上市されている。では頭皮の状態と、そこから作られる毛髪の質には本当に関連性があるのだろうか。また、それに関する科学的検証はなされているのだろうか。本講では、従来の育毛の概念に囚われない養毛・美髪形成という観点から、頭皮状態との関連性について概説し、それを踏まえた商品開発へのアプローチの考え方を紹介したい。

2)毛乳頭細胞の一次繊毛を介した発毛調節機構と温泉由来原料
【11:00〜11:50】 ㈱サラヴィオ化粧品 サラヴィオ中央研究所 松島一幸・加世田国与士  


 我々は、毛乳頭細胞の一次繊毛は細胞増殖因子の産生に関係し、毛母細胞の増殖を制御することを見いだした。また細胞塊中では、一次繊毛の伸長・形成頻度の増加に伴った細胞間シグナル伝達の効率向上が認められた。本講演では、これらの発毛機構及びそれらに作用する別府温泉由来の微生物原料を紹介する。「温泉酵母」は毛乳頭細胞の一次繊毛及びミトコンドリアの機能を上昇させてFGF-10の産生が増大した。一方、「温泉藻類」は抗炎症作用とアンチエイジング効果を示した。これらを配合したローションでの被験者試験では、男性型脱毛症や円形脱毛症の改善が認められた。

休 憩 11:50〜13:10

3)ヒト頭皮角層バイオマーカーとしてのDJ-1に関する研究
【13:10〜14:00】 ㈱ファンケル 総合研究所 ビューティサイエンス研究センター 濵田和人  


 頭皮は皮脂腺や汗腺からの過剰な分泌や紫外線など外界からのストレスにさらされ老化が進行して育毛環境が低下する。頭皮へのストレス、特に酸化ストレスが毛包の毛乳頭細胞やメラノサイトに作用して薄毛・脱毛や白髪の原因となることが報告されている。我々は活性酸素の制御にかかわるDJ-1というタンパクに注目してこれまで研究を進めてきた。本講演では非侵襲的に頭皮角層のDJ-1を測定し、育毛環境の評価を試みたので報告する。また、DJ-1を頭皮チェックカウンセリングの抗酸化指標として活用しているので併せて紹介する。

4)育毛作用と抗白髪作用を併せ持つ新素材 アキノノゲシエキス
【14:10〜15:00】 ㈱東洋新薬 研究推進室 森川琢海  


 近年、高齢人口の増加に伴い、毛髪に関する悩みは男女を問わず多くなっている。その中でも薄毛と白髪は代表的な悩みであり、育毛剤や染毛剤などの様々なヘアケアアイテムが上市されているが、薄毛と白髪に同時に働きかけるものは少ない。我々は、キク科植物のアキノノゲシのエキスに、育毛作用と抗白髪作用の両作用があることを確認した。本講演では、新規ヘアケア天然素材としての可能性を秘めたアキノノゲシエキスについて紹介していきたい。

5)微細藻類に由来する天然多糖類とヘアケア効果について
【15:10〜16:00】 パナック㈱ 佐藤剛毅  


 当社では将来のホワイトバイオテクノロジーへの展開を見据えて微細藻類に着目し、特にその細胞外多糖類(EPS)に関する研究開発を進めている。今回はその成果の1つとして当社が見いだしたプレクランと命名した新規多糖類のヘアケア原料としての有用性について、いくつかの実験データを交えてご紹介する。また、微細藻類ライブラリーを活用したプレクランに続く新しい機能性素材のスクリーニングの状況についても併せてご紹介する予定である。

※セミナー間10分間の休憩が入ります。

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