第171回 「保湿のメカニズムと新技術」(2017.4.24)

 今回のFJセミナーは、“保湿のメカニズムと新技術”をテーマに開催します。

 スキンケア製品は、毎日用いられることでスキントラブルを回避し、健康的な生活を送るためのアイテムとして消費者に広く受け入れられています。保湿はスキンケアの基本。その基本となる保湿の重要性と新たな技術について専門の講師の方々にお話しいただきます。
 皆様のご参加を心よりお待ちしております。   

 1)スキンケアにおける保湿の役割
【10:30〜11:20】㈱CIEL 岡野由利


 皮膚の乾燥が肌荒れや小ジワの原因となることはよく知られている。そのため、保湿はスキンケアの基本的な機能として認識されてきたが、一方で、大きな肌悩みとして取り上げられ、光老化の外観的特徴であるシミや深いシワと皮膚の乾燥との関連性については明確には示されなかった。しかしながら、近年の研究によって、皮膚の乾燥によって即時に活性酸素の産生や炎症応答が惹起され、様々な皮膚トラブルの原因となることが明らかになった。ここではその事例を示し、保湿がスキンケアにおいていかに大切であるかということを新しい観点から説明する。 

2)角質層となじみやすい「両親媒性ポリグルコサミン誘導体」の機能性と保湿効果 
【11:30〜12:20】 天然新素材科学研究所㈱ 酒井康雄


 皮膚の最外に位置する角質層の重要な役わりは、肌荒れやキメの乱れなどの様々な肌トラブルから身を守り、水分蒸散の抑制やバリア機能の保持などが挙げられる。しかし現代では、様々な環境要因により角質層本来の機能が損なわれやすいため、角質の保護,保湿,保水機能 に着目した、多糖類誘導体の化粧品における機能に注目が集まっている。本講演では、ムコ多糖類を用いて開発した、角質の細胞間脂質と自然な形で馴染みやすい「両親媒性ポリグルコサミン誘導体」の機能性と保湿効果並びにその活用法を紹介する。 

休 憩 12:20〜13:30 

3)皮膚洗浄剤における機能成分滞留技術の開発 
【13:30〜14:20】 ライオン㈱ ビューティケア研究所 筒井葉月


 生活者がボディソープなどの皮膚洗浄剤に求める機能として保湿効果が挙げられる。しかし、これまでの皮膚洗浄剤は洗浄が基本機能であるために、保湿成分を配合してもほとんどが洗い流されてしまい、積極的に保湿機能を付与することは困難であった。一方、同じ洗浄剤のシャンプーはすすぎ時にアニオン性界面活性剤とカチオン性高分子の複合体が形成、毛髪へ高い吸着性を示す。そこで、この技術に着目し、皮膚洗浄剤への応用展開を試みることで、新たな保湿実感を高める「複合体技術」を獲得したので紹介する。

4)皮膚角層細胞間脂質のラメラ構造と水分子の関係は? 

【14:30〜15:20】 星薬科大学 小幡誉子


 皮膚の表面には、角層と呼ばれる薄い膜が存在し、生体を脱水や異物侵入から保護している。角層は、角層細胞を細胞間脂質が取り囲んだレンガ―モルタル構造として摸式化されるが、モルタルに相当する細胞間脂質は、ラメラ構造を形成することで皮膚の物理的バリアの中核をなす。一方で、角化不溶性膜を介して細胞間脂質に囲まれた角層細胞は、タンパクをはじめとする親水性化合物からなっており、角層に厚みや強度を与える。皮膚内での水分子の存在や水分保持に関して、皮膚表面の微細構造との関連に基づいて考察してみたい。

5)食用海苔から開発されたポルフィランの保湿成分としての効果と応用 

【15:30〜16:20】 長岡技術科学大学 小林高臣


 色落ち海苔から抽出したポルフィラン成分の保湿特性と細胞親和性について紹介する。特にヒアルロン酸などの多糖類高分子との比較特性を交えて、ポルフィラン類の優れた保湿剤としての特性に関する最近の結果について示す。

※セミナー間10分間の休憩が入ります。

過去のFJセミナー内容


FJセミナー

 

セミナー・イベントトップへセミナー・イベントトップへ