第174回 FJセミ「紫外線(UVB)によるシワ発生の〜」(2018.2.1)

第174回 FJセミナー
紫外線(UVB)によるシワ発生の細胞生物学的メカニズムと
その制御剤のin vitroスクリーニング手法


宇都宮大学・バイオサイエンス教育研究センター
特任教授 医学博士 芋川玄爾


 今回のFJセミナーは、2017年6月号及び9〜11月号でご自身の永年にわたる研究成果を総説としてまとめていただいた宇都宮大学の芋川玄爾特任教授をお招きしてご講演いただきます。  
  講演では、現在注目を集めているシワ対策化粧品の開発につながるシワ発生のメカニズム及びin vitroのスクリーニング手法について独自の研究をもとにした解説をしていただきます。
 皮膚科学の第一人者に直接お話しを伺う絶好の機会となります。論文では伝わりにくいところを実際の講演の中でわかりやすく説明いただき、講演の最後には質問時間も設ける予定です。
 化粧品メーカー、受託メーカーで処方開発に取り組みはじめた若手技術者、商品開発担当者、原料メーカーの処方開発担当者など、化粧品業界の皆様にとって研究開発に役立つ貴重な情報になると思います。

●● 講演概要 ●●●
【13:30〜14:45】


 加齢に伴い、顔面にはシワやタルミなどの形態変化が起きることはよく知られており、その主要な悪化要因に紫外線(UVAやUVB)による光老化の影響が報告され、この光老化は非露光部位で起こるような自然老化とは区別されている。シワの形成は病的変化ではないが、典型的な老徴の1つであり、特にいつまでも若い肌を保ちたいと願っている女性には深刻な皮膚変化と捉えられている。
 近年皮膚科施設や化粧品業界でシワの発症メカニズムとその予防及び治療に関する研究が盛んに行われ、シワの原因の一端が明らかにされつつある。シワの発生にはコラーゲン、エラスチン、ヒアルロン酸、グリコサミノグリカンなど真皮マトリックス成分の様々な変化がかかわっていることが従来報告されているが、そのメカニズムの直接的な証明としては不完全なものであった。すなわち完成したシワ組織でのコラーゲン、エラスチン、ヒアルロン酸、グルコサミノグリカンなどの量的質的変化を捉えてはいるが、その変化がなぜシワ形成につながるのかについては十分な説明がなされていないのが現状であった。
 我々は従来の代表的メカニズムとしての、シワのエラストーシス“変性エラスチンの蓄積”由来説とは異なり、皮膚の弾力性を司る主要な成分であるエラスチン線維が紫外線によるエラストーシス発現のはるか以前のシワ形成前及び初期に変性し、その弾力性を消失することがシワの発生に重要な要因であることを見いだし、またこの変性は真皮線維芽細胞が産生分泌するエラスチン分解酵素、エラスターゼの働きによることを明らかとした。
 本セミナーではこのエラスチン/エラスターゼネットワークの紫外線誘導シワ形成メカニズムへの関与について詳しく解析結果を紹介し、新たにシワ防止剤のスクリーニングを行うための開発手法について述べる。

●●演 目 ●●●


1.シワの発生部位と皮膚弾力性との関係

2.シワの発生と弾力線維量及びコラーゲン線維量との関係

3.皮膚の弾力性低下は真皮弾性線維の変性(湾曲化)の関係

4.弾性線維三次元微細構造の湾曲化の細胞生物学的メカニズム

5.更年期障害モデル動物でのシワ形成パターンと真皮マトリックスプロテアーゼの関連

6.弾性線維分解酵素(エラスターゼ)阻害剤でシワが予防できるか?

7.ヒト線維芽細胞由来エラスターゼ酵素の本体は?

8. UVB照射による線維芽細胞におけるNEP/Neprilisin酵素発現増強のパラクリンサイトカインメカニズム

9. In vivoでのシワ形成におけるエラスターゼ酵素関与メカニズムの確証:

 エラスターゼ阻害剤によるヒト目尻における抗シワ効果

10.シワ形成のパラクリンサイトカインメカニズムを基盤としたシワ改善剤のin vitroスクリーニング手法

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